Non-Default Win11 (セキュア ブート非対応、TPM1.2 非対応、TPM2.0非対応のUEFIブート環境にWin11をインストール)
update 2021-10-05

環境

Win11

概要説明

セキュア ブート非対応、TPM1.2非対応、TPM2.0非対応のUEFI環境にWin11をインストールする。(Win11の既定のインストーラではインストー ルできない)
この方法は 外付けUSB SSD にも適用できる。(Win11の既定のインストーラでは外付けUSB SSD にはインストールできない)
VirtualBoxでもインストールできた。

作業手順

1.
Win11インストールUSBを作成する。(VirtualBoxにインストールする場合はマイクロソフトからダウンロードした isoファイルを使用できる)
※作成方法は後述の「参考」参照。
※Win11インストールISOをマウントした \sourcesフォルダにinstall.wim(または install.esd)ファイルがある。

2.
Win11をインストールするSSD 1台 だけを接続して Win11インストールUSB でPC起動する。
※VirtualBoxにインストールする場合はマイクロソフトからダウンロードした isoファイルを使用できる。
Win11インストール画面で「コンピュータを修復する」に進むと「オプション選択」画面になる。
「トラブルシューティング」 > 「コマンドプロンプト」を選択する。
※「言語選択」画面で「Shift + F10」キーを押してもコマンドプロンプト画面にすることができる。

3.
コマンドプロンプトで diskpartを起動しSSDにパーティションを作成し、UEFIインストール環境を作成する。
diskpart
list disk (ディスク番号を確認する)
select disk 0  (ディスク番号 0 はSSD)
clean (SSDを初期化する)
convert gpt (gptディスクとする)
create partition efi size=256 (EFIパーティションを作成する)
format fs=fat32 quick label="system"
assign letter=S (ドライブレターを付けておく。ここではドライブ S とする)
create partition msr size=128 (MSRパーティションを作成する。MSRは必須ではない。)
create partition primary  (残りの領域は1つのプライマリ領域としている)
format fs=ntfs quick
assign letter=W (ここではドライブ W とする)
list volume  (ドライブレターを確認しておく)
exit  (diskpartを終了する。diskpartを終了するとコマンド入力ができるようになる)

4.
コマンド dism.exe(展開イメージのサービスと管理ツール)でimageを適用する。
sourcesフォルダはUSBドライブ D にあるものとする。
install.wimを指定する。(D:\sourcesフォルダの内容を確認して install.wim ではなくて install.esd の場合は install.esd を指定する)
/index:1 はHOME バージョン。 /index:3 はPRO バージョン。
dism /apply-image /imagefile:D:\sources\install.wim /index:3 /applydir:W:\
※install.wimを install.swm ,install2.swm のように分割している場合は 2つ目の install2.swm は /swmfile:D:\sources\install2swm のように指定する。
つまり、次のように指定する。
dism /apply-image /imagefile:D:\sources\install.swm /swmfile:D:\sources\install2.swm /index:3 /applydir:W:\
または、2つ以上の分割ファイルがある場合は ワイルドカードを使って指定する。
dism /apply-image /imagefile:D:\sources\install.swm /swmfile:D:\sources\install*.swm /index:3 /applydir:W:\

展開イメージのサービスと管理ツールが起動してイメージの適用が開始される。

処理中は「イメージを適用しています」と表示され、処理進行状態が %で表示される。
処理終了時には「操作は正常に完了しました」と表示される。

操作完了時点でドライブ W にはwindowsフォルダがコピーされている。
ブート情報は、まだ作成されていない。

5.
ブート情報を作成する
bcdboot W:\windows /l ja-jp /s S: /f UEFI
「ブート ファイルは正常に作成されました」というメッセージが表示される。
ドライブ S にBCDフォルダ、bootmgrファイル(システム/隠しフォルダ、ファイル)が作成されている。
以上でブータブル SSDが作成できた。

exit  (コマンドプロンプト終了)

6.
「オプションの選択」画面になるので「PCの電源を切る」でPCをシャットダウンする。

7.
SSDだけを接続して、SSD起動優先でPC起動すると、Windowsのインストールが開始される。
※VirtualBoxの場合はストレージに割り当てている iso ファイルを割り当てから除去しておく。
すでに上記 4. にてイメージの適用(インストールファイルのコピー)は完了しているので、「デバイスの準備」段階からインストールが始まる。
セキュア ブート、TPM1.2、TPM2.0 のチェックはバイパスしているので、UEFI環境へのインストールが行なわれる。
これ以降は通常のインストール手順と同じである。

8.
以上でセキュア ブート非対応、TPM1.2非対応、TPM2.0非対応のUEFI環境へのインストールは完了。



例) Win11インストールメディアを使用して、図のような既存の UEFI構成のディスクを初期化してイメージインストールを行なうには・・・
partition-1.png
1. ドライブ W をNTFS形式で formatして初期化する。
format W: /fs:NTFS /Q  (NTFS で quick フォーマット)

2. ドライブ S をFAT32形式で  formatして初期化する。
format S: /fs:FAT32 /Q  (FAT32 で quick フォーマット)

3. ドライブ W に Win11インストールイメージを展開する。
インストールイメージはドライブ U にあるものとする。
dism /apply-image /imagefile:U:\sources\install.wim /index:3 /applydir:W:\

4. ドライブ S にブート情報を作成する。
bcdboot W:\windows /l ja-jp /s S: /f UEFI

5.作成したディスクでPC起動すれば、 Win11のインストールが開始される。
 
 

参考

UEFI BootモードのUSBを作成する

Step 1:USBドライブをClean処理する。(パーティション、フォーマット情報を削除する)
>Diskpart
>List Disk
>Select Disk 2 (Disk 2 は USB Drive)
>Clean

Step 2:USBドライブをGPT変換し、FAT32パーティションを作成する。
※FAT32なので4GB(4096MB)を超えるファイルは格納できない。
>Convert GPT
>Create Partition Primary
>Select Partition 1
>Format fs=fat32 quick

>List Volume ( ドライブレターを確認する。Volume D: は Windows ISO Image をマウントしたドライブ, G: は USB Drive)
>Exit (Diskpartを終了)

Step 3: Windows Installer FileをUSBにコピーする
>Xcopy D:\* G: /e   (/e は空の場合も含めて、ディレクトリとサブディレクトリをコピーする)

以上でGPTパーティションのUEFI Bootable USBが作成できた。
※ただし、Install.wim ( または Install.esd ) が4GBを超える場合は、上記Step 3 の代わりに 「Step 3-SplitImage」 を行なってファイルを分割する。

---
「Step 3-SplitImage」 : Install.wim を除いてwindowsインストーラ ファイルをコピーする。
※Install.wim は Install.esd というファイル名になっている場合があるので、sourcesフォルダの内容を確認して作業すること。
※Install.wimはファイル分割して作成する。
>G: (ドライブ G: USB Drive に移って作業する)
>echo install.wim > excfile.txt ( install.wim という文字列を excfile.txt ファイルに出力する)
>Xcopy D:\* G: /Exclude:G:\excfile.txt /e ( excfile.txtの内容に指定されたファイルを除いてコピーする。 /e は空の場合も含めて、ディレクトリとサブディレクトリをコピーする)

install.wimを3GB(1024 x 3 = 3072バイト)でファイル分割し、install.swm という名前でBootable USBに作成する。
※分割後のファイル名は install.swm , install2.swm ,  install3.swm ・・・のようになる。

>Dism /Split-image /ImageFile:"D:\Sources\install.wim" /SWMFile:"G:\Sources\install.swm" /FileSize:3072
処理中の進行状況表示は行なわれないので、「操作は正常に完了しました。」という表示が出るまで待つ。

以上で、ファイルを分割した GPTパーティションのUEFI Bootable USBが作成できた。



ISO ファイルのマウント、 アンマウント
※エクスプローラで isoファイルを右クリック > マウント すればマウントされる。
※コマンドでマウントする場合は Mount-DiskImage を使用する。

マウント
例えば、E:\Windows10.iso をマウントするには
Mount-DiskImage -ImagePath E:\Windows10.iso

マウント結果はドライブレターが割り当てられてエクスプローラに表示される。

アンマウント
Dismount-DiskImage -ImagePath E:\Windows10.iso
アンマウントされたドライブはエクスプローラから消える。



install.wim内のOSを確認するに は・・・
install.wim(またはinstall.esd)に含まれる Index:<イメージ インデックス> から バージョン情報を照会するには・・・
例) dism /get-wiminfo /wimfile: J:\sources\install.wim

下記のような インデックス番号とバージョン情報が表示される。
例えば、Windows 11 Pro は  インデックス: 3 であることが分かる。

展開イメージのサービスと管理ツール
バージョン: 10.0.22000.1

イメージの詳細: j:\sources\install.wim

インデックス: 1
名前: Windows 11 Home
説明: Windows 11 Home
サイズ: 16,294,365,248 バイト

インデックス: 2
名前: Windows 11 Education
説明: Windows 11 Education
サイズ: 16,578,938,010 バイト

インデックス: 3
名前: Windows 11 Pro
説明: Windows 11 Pro
サイズ: 16,575,809,390 バイト

インデックス: 4
名前: Windows 11 Pro Education
説明: Windows 11 Pro Education
サイズ: 16,578,889,220 バイト

インデックス: 5
名前: Windows 11 Pro for Workstations
説明: Windows 11 Pro for Workstations
サイズ: 16,578,913,615 バイト


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